当たり前を疑う勇気で考え方の変化を!
コラム
私たちは日々の生活の中で、多くのことを「当たり前」だと認識しています。
朝起きて顔を洗うこと、電車は時間通りに来ること、頑張れば報われること…
これらは、社会生活を円滑に進める上で必要な共通認識であり、ある意味では心のより所とも言えるでしょう。
しかし、カウンセリングの現場に身を置いていると、この「当たり前」という名のフィルターを通して、私たちは時に真実を見誤ったり、本来の可能性を狭めてしまったりすることがあると感じます。
例えば、「人はこうあるべきだ」「成功するためにはこうしなければならない」「失敗は許されない」といった固定観念。
これらは、私たちを無意識のうちに縛り付け、生きづらさや苦しさを生み出すことがあります。
子どもの頃から親や社会によって植え付けられた価値観、過去の経験から形成された信念…それらは、私たちにとってあまりにも馴染み深く、空気のように当たり前の存在となっているため、なかなかその存在に気づくことすら難しいのです。
しかし、立ち止まって考えてみてください。本当にそうなのでしょうか?
「人は皆、社交的であるべきだ」という考えに苦しんでいる内向的な方がいるかもしれません。
「常にポジティブでいなければならない」というプレッシャーに押しつぶされそうな方がいるかもしれません。
「一度の失敗で人生は終わりだ」と絶望している方がいるかもしれません。
カウンセリングは、クライアントの方々が抱える悩みや苦しみに寄り添いながら、その「当たり前」を一緒に見つめ直し、問い直していくプロセスでもあります。
「なぜそう思うのですか?」「それは本当に真実ですか?」「別の可能性はないのでしょうか?」
このような問いかけを通して、クライアントの方々は、これまで疑うことのなかった固定観念に気づき始めます。
そして、その固定観念が、現在の生きづらさや苦しさにどのように影響を与えているのかを探っていきます。
固定観念を疑うことは、決して容易なことではありません。
それは、長年信じてきた価値観を揺るがす行為であり、ある種の不安や抵抗感を伴うこともあります。
しかし、その先には、これまで見えなかった新しい視点や、より自由で自分らしい生き方が広がっている可能性があります。
「当たり前」だと思っていることでも、少し立ち止まって「本当にそうなのか?」と問い直してみる。
それは、自分自身を深く理解し、より豊かな人生を歩むための第一歩となるでしょう。
もし、あなたが今、何か生きづらさを感じているのであれば、一度、ご自身の「当たり前」を疑ってみることから始めてみませんか?
カウンセラーは、その旅路をサポートさせていただきます。